第25回「EBMの暴走」

「その治療ってエビデンスあるの?」

「はっ!?経験?いやいやいやww」

 

知人との会話で発せられた言葉。

正直、違和感を覚えました。

 

EBM【Evidenced Based Medicine】

直訳すると「根拠に基づく医療」

 

どうもこの言葉、暴走している気がしてなりません。

例えば「治療法Aには科学的根拠がない。故にEBMとは認められない」

他にも「EBMでいうエビデンスとは、統計的データ。治療者の個人的経験は除外」

 

これは果たして、正しいのでしょうか?

 

個人の経験を除外して、統計学的に根拠のある治療をする。

一見正しいように見えますが、EBMの正確な意味を考えると、少しずれています。

 

個人の経験は一般論として強くはなくても、実際の臨床現場では欠かせない判断の拠りどころ。

レベルとしては低いかもしれませんが、れっきとしたエビデンスなんです。

 

つまり「個人の経験」も「エビデンス」として認められるということです。

 

EBMの正確な定義を、京都大学の中山健夫教授は以下ように言っています。

「臨床研究などで科学的に効果が確認された治療法を、医師の経験や技量、利用可能な設備や時間などの制限を鑑みて、さらには患者さん固有の事情や意思すらも重視して、総合的に判断して選択する」

 

昨今はむしろ、エビデンス至上主義。

個々の臨床経験を重視しない傾向にあるような気がします。

私の知人との会話からも分かりますよね。

臨床経験10年以上のセラピストが、自身の経験をさて置いて、統計学的データにすがるのです。

 

これは逆の意味でEBMから外れているのではないでしょうか?

 

統計学的に根拠に基づいた医療は推奨されるべきだとは思います。

しかし、例えば医師が最新知見を保つために読むべき1日の論文数、いくつだと思いますか?

諸説ありますが、一部では19の論文を毎日読まなければならないそうです。

医師不足の地方で、毎日の診療をこなしながらではほぼ不可能でしょう。

 

下手をすれば、これだけ情報を得るメディアがある社会。

患者の方が情報を持っていることも場合によってはありえます。

コクランライブラリーは誰でも読むことが出来ますからね。

 

同じように推奨レベルAの治療を、1年目のセラピストと10年目のセラピストが行ったとします。

大半は10年目のセラピストの方が効果は高いはずです。

満足度も高いでしょう。

 

それは患者さんの先入観でも変わってきます。

「若い人よりも上手そうだ」

「落ち着いている感じがするから安心できる」

こんなのは、根拠というにはあまりにも低いレベルです。

ですが、効果は高いのです。

 

だからこそ両方のエビデンスが必要

  • 統計学的に根拠のある治療
  • 個人の経験に基づく最善の治療

どちらかに偏ってしまっては、質の高い医療は提供できないのではないでしょうか?

 

私たちは、根拠のあるものを提供する義務と、提供したものを経験として積み重ねていく義務があります。

それが「プロ」です。

 

一般的に推奨レベルが高い治療が、必ず良い結果をもたらすわけではありません。

患者さんはそれを知りません。

メディアで垂れ流しになっている効果の高い治療法。

それが果たしてその患者に合うのか?

そこに私たちの経験を照らし合わせないといけません。

 

「エビデンスの高い治療」とは?

先人たちが築いてきた過去の知恵と、

治療者自身の経験から導かれた最善の選択、

それらを患者さんに説明して共有する、

その過程を経たものであるのではないでしょうか?

 

最後まで読んでいただけて感謝致します。

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国際統合リハビリテーション協会【IAIR】

九州支部代表 理学療法士

福留 良尚

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