From.IAIR九州 福留良尚
東京の宿泊先より
(本日はIAIRの月一ミーティングです。)
国際統合リハビリテーション協会【IAIR】九州支部代表をしております。
本日もご覧いただきありがとうございます。
前回のコラムはコチラ
リハビリの臨床でよく見かける「背臥位で緊張を落とす」
CVAの方に行うこの徒手的アプローチは何を意味するのか?
まだ、読まれていない方は是非!
さて、私も毎日多種多様な症状を持ったクライアントさんを見ます。
予防の分野ですので、お一人お一人に時間を掛けることが出来る分、かなり丁寧に問診を行っています。
それこそ新規の方には、長ければ30分くらい掛かることも少なくありません。
その方の訴えや根底にある問題を見つけていくには、時間を掛けることは惜しめません。
それが信頼関係の構築にもなりますから、初見は慎重に、そして最も大切にするべき時間だと思います。
病院勤務の頃も、新患はかなり時間使ってましたね。
そんな問診中の出来事について、先日来られたクライアントさんとお話しする機会がありました。
何でも、問診中に怒る医師がいるというのです。
「私が体のことをお伝えすると、先生が怒られるんです。」
「だから、もうそこの病院には行きたくなくて、、」
さあ、この方と医師の間では何が起こっていたのでしょうか?
私はこの方を以前から知っているので、原因は分かりました。
今日はこの方が何故怒られたのかについて考えていきます。
多分、セラピストでも怒る人がいるかもしれません。
怒らないまでも、「ムッ」とするかも。
あなたはどうでしょうか?
このクライアントさんの説明の仕方は以下のような感じです。
「先日から腰の痛みが強くなってきました。私は以前にヘルニアをしたことがあるので、この痛みはヘルニアからだと思うんです。あの時と同じような感じだから、多分そうじゃないかと。先生いかがでしょうか?」
どうですか?
皆さんはムッとしますか?
この方は、過去に腰痛を経験され、しかも今回の痛みがその時と似ているものだから、ヘルニアからくる痛みだと推測したようです。
そのことについて先生に伝えたところ、先生は怒りました。
この時医師が引っかかったのは、患者が自分で診断しているということでしょう。
専門家が一般人からその専門領域について話されるということは、思った以上にストレスです。
「素人のクセに、、」という思いが根底にはあるのかもしれません。
では、これを我々リハビリの臨床に置き換えてみてみましょう。
腰痛の患者さん。
あなたは体幹の安定性が不十分なことによる痛みだと評価しました。
しかし、患者さんは腰の筋肉が張っているから痛いんだ、だから腰を揉んでくれ!というのです。
外来20分の中では、両方するのは時間が足りないと仮定しましょう。
この時、どのような対応を取りますか?
- 腰が痛いのは体幹が不安定であると説明して、トレーニングを行う。
- 患者さんの要望に応えて腰をマッサージする。
- その他
さあ、少し考えてみてください。
(③の方は、是非どんな内容なのかメッセージもらえると嬉しいです。)
私がどうするかはこの後書いていきますね。
では、まず②について。
これは専門家としてよろしくない姿勢です。
「原因」が分かっているにも関わらず、そこにアプローチをしないのは、問題放棄です。
患者さんの満足度は上がるかわりに、本当に解決するべき問題は棚上げされています。
これは無しだと考えます。
そして①です。
専門家が真剣に説明すれば、そうなんだろうと納得されるかもしれません。
しかし、本来患者さんが持っていた「腰を揉んでほしい」という要望は叶えられません。
患者さんからすれば「言いくるめられた」と捉える人もいるかもしれません。
問題解決には近づきますが、「分かってもらえない」と信頼構築に至らず、その方はリハビリから足が遠のくかもしれません。
それもよろしくない状況です。
そして③の他の方法です。
私なりの手法を少しお伝えします。
先ず、何故腰の筋肉が張ってきたのでしょうか?と問いかけることにします。
質問を重ねるのです。
「腰の痛みで受診されたんですね。」
「○○さんは何故、腰が痛くなったと思いますか?」
ここから患者さん自身が問題認識を深めていく作業を一緒に行っていくのです。
「仕事柄同じ姿勢が続くからね~」
「なるほど、仕事は変えられませんからね。しかし、腰は痛くならないようにしないと仕事になりませんよね」
「そうなんだよね」
「同じ姿勢を続けても腰に負担が掛からないようにならないといけませんね」
「どうすればいいのかな?」
私が対応する腰痛のクライアントさんのほとんどは、上記の流れでトレーニングが必要であると自分で答えを見つけてもらうようにしています。
人は説得されるのを嫌います。
自分の考えを認めてもらいたいと常に考えています。
正論や一般的に正しいことであっても、自分の思いや考えを聞いてもらえなければ納得しないでしょう。
患者さんも一緒だと思います。
家族であっても同じです。
他人を変えることは出来ません。
しかし、人は変わることが出来ます。
それこそ、あなたのちょっとした一言で変わるんです。
そんな関わり方が出来るセラピストになりたいなといつも思います。
他にも「こんなのはどうでしょう?」「私はこうします」「福留の言うことは机上の空論だ!」(笑)でもいいですので、ご意見いただければと思います。
3月にあるILPT福岡セミナーでは、もっと詳しくこのことについて勉強できますよ。
詳しくはコチラ>>>https://iair-member.jp/ilpt/html/
それでは、最後まで読んでいただけて感謝です。
追伸:最近個人のFacebookページで友人申請をたくさんいただきます。
とてもありがたいことなんですが、人前に立つ仕事をしながら私はやや人見知りの面がありまして、、(笑)
一言メッセージ頂ければ、気持ちよく承認致しますので、よろしくお願いします^^
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国際統合リハビリテーション協会【IAIR】
理事 九州支部代表 理学療法士
福留 良尚
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